低農薬栽培米の品種について

当園では、「ななつぼし」と「ふっくりんこ」「ゆめぴりか」「ゆきひかり」の4品種を低農薬で栽培・販売しております。簡単にそれぞれの品種をご説明いたします。

  • ななつぼし」は、一般財団法人日本穀物検定協会による食味審査で、最高ランクの「特A」を獲得しいるお米です。その特徴は、甘みがほどよく、食べ飽きない美味しさにあります。ほとんどの料理との相性も良く、一般的にお勧めしているお米です。
  • ふっくりんこ」も同じく特A評価されたお米ですが、「ななつぼし」より、粘りが強いと評価されています。甘みや柔らかさは「ななつぼし」と同等です。
  • ゆめぴりか」も上記2品種と同じく、特A評価されているお米です。なんといっても、豊かな甘みと美しい炊きあがりが特徴です。白いごはんを味わいたいという方にお勧めです。
  • ゆきひかり」は、上記3品種がもち米や、コシヒカリなど本州産良食味品種の遺伝子が導入されているのに対し、北海道のうるち米遺伝子のみで品種改良されたお米です。粘りも味もあっさりとした味わいですが、良くかむと味のあるお米です。一般的に美味しいお米を求めているお客様には向かないと思いますが、その遺伝子的特性から、食後ゆっくり消化されるため、健康に留意されている方々、特に、お米アレルギー等でお困りの方々からのご支持をいただいているお米です。

栽培法について~1回だけの農薬散布・スーパー低農薬米

早苗

田植直後の早苗

上記、4品種とも共通ですが、使用している化学合成農薬は田植え後の6月上旬(概ね6月10日まで)に除草剤を1回のみ使用しています。(その除草剤に含まれている、農薬成分は3です)その他の農薬は一切使用しておりません。 低農薬栽培の基準は『地域の慣行レベルに比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下で、かつ、化学肥料の窒素成分量が50%以下』となっています。当地の稲作で一般的な農薬使用回数(農薬成分換算)は20成分ですから、低農薬栽培と言えるのは、10成分以下となりますが、当園の低農薬栽培はわずかに3成分ですので、スーパー低農薬米といっても良いと思います。

 

栽培法について~初期生育は化学肥料で、生育後半は発酵有機質肥料で

さて、肥料面での低農薬栽培は、肥料の3要素の一つであるチッソの使用量が地域の一般栽培の半量以下であることが求められています。当園の10アール当たりで使用する化学肥料のチッソ成分は2.8で、地域一般栽培では、同6が指導機関の指標ですが、実際には7~8程度の使用が一般的です。以上のように、化学肥料の使用においても、地域一般栽培の半量以下となっております。肥料については、化学肥料の他、米ぬか、魚かす、大豆粕をヨーグルトで発酵させた発酵有機肥料と、海鳥糞が化石化したグアノリン酸という有機肥料を使用しています。

おいしいお米を作るため、化学肥料を減らして発酵有機肥料の力を借りる

さらに、化学肥料の使用状況ですが、田植機で田植えする時に、植えられた苗のすぐそばに肥料を与えていく、側条施肥(そくじょうせひ)という方法をとっています。この方法の特徴は、苗の根のそばに肥料を与えるため、苗の成長とともにすばやく肥料成分が吸収され、苗の生育スピードが速くなります。化学肥料成分は、7月中にほぼ稲に吸収されてしまいます。いち早く身体作りを行い、その後は、土が持っている肥料成分や、発酵有機肥料の成分が気温が上がるとともにゆっくりと効き出します。このように、その年々の天候等に合わせて効いていくのが、地力と発酵有機肥料の力です。
化学肥料はある程度の気温(水温)であれば、土に与えた大部分が農作物に使われます。低温年で稲の生育が緩慢でも、与えてしまった化学肥料はもう取り除くことができません。その結果、穂の中の玄米中に余計なチッソ成分が蓄積し てしまいます。こういうお米はおいしくありません。

どんな年でも安定した美味しさ

発酵有機肥料作り

発酵有機肥料作り

一方、地力や有機成分から出る栄養分は微生物で何度も分解されなければ作物に届きません。低温の年であれば、微生物の動きが鈍く、栄養分の供給量は落ちます。そのため、たとえ冷害年であっても、生育に合わせた肥料分が供給されるため、食味の低下は起こりにくいのが特徴です。一方、高温年では微生物の動きが活発になり栄養分の供給量が増えます。高温年でも、適切な栄養分が供給されるため、どのような天候であっても、美味しいお米作りができます。当園のお米がどのような年でも、美味しいと言われることが多いのですが、このような作り方をしているからだと考えています。

水田のあぜにハーブで害虫忌避、乾燥温度にもこだわる

美味しくて高品質なお米の作り方は他にも、水田のあぜにハーブを植えて黒い斑点米の原因になる稲カメムシを発生させない工夫や、収穫後の乾燥温度の工夫など、様々な取り組みも行っています。お客様に満足していただく前に、私たち生産者自身が、『今年は、いいお米がとれた!美味しい!』と言えるようなお米作りをしていきたいといつも考えています。

今回のお話は少しだけ専門的な内容でしたが、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。是非、当園の低農薬米のご注文お待ちしております。

 

 

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